なぜ、冷凍なのか
完熟した桃を、いちばんおいしい瞬間のまま届けたい。
それが、ももふるを作るうえでの、ただひとつの出発点でした。
桃はとても繊細な果物です。
甘さがピークに達した頃には、同時に傷みやすくなります。
「今がいちばんおいしい」と感じたその瞬間を、
どうすればそのまま届けられるのか。
加工を重ねるほど、
手を加えるほど、
本来の魅力は少しずつ失われていく。
せっかく素材がおいしいのに、
味をごまかすような加工はしたくありませんでした。
もともとは、肉や魚のための技術でした
ももふるに使っている瞬間冷凍の技術は、
もともと肉や魚を良い状態のまま海外へ輸出するために
開発されたものです。
細胞を壊さず、一気に凍らせることで、
解凍後も「生に近い状態」を保てる。
それを知ったとき、ふと頭をよぎりました。
「生をキープできるなら、果物にも使えるのでは?」
果物、とくに桃は、
“加工向き”ではなく、“鮮度命”の素材です。
だからこそ、この技術が合うのではないかと考えました。
いちばんいい瞬間を、止める
ももふるは、
樹の上でしっかり完熟した桃を使います。
皮と種を取り、
食べやすくカットし、
褐変を抑えるために最低限の下処理だけを行う。
砂糖で煮たり、
シロップに漬けたり、
香りを足したりはしません。
そして、いちばん状態のいいタイミングで、瞬間冷凍します。
目指したのは、
「加工品らしさ」ではなく、
“生桃の時間を止める”ことでした。
余計なことは、しない
主役は、あくまで桃そのもの。
甘さも、香りも、食感も、
その年、その畑、その桃が持っているものを
そのまま受け取ってもらいたい。
だから、
いろんな手を加えて魅力を足すよりも、
魅力を減らさないことを選びました。
生の代わりではなく、生の延長として
冷凍だから特別なのではありません。
生の桃が持っている価値を、
季節を越えて、距離を越えて、
そのまま届けるための手段が「冷凍」だった。
ももふるは、
生桃の代わりではなく、
生桃の延長線上にある存在です。
桃が好きな人にこそ、
一度味わってもらえたらうれしい。
そんな想いで、
今日も「いちばんいい瞬間」を、そっと止めています。