
桃畑に昇る朝日と、農業の時間
まるで絵画の中にいるような美しさでした。
桃収穫の日は、この朝の光とともに始まります。
実は私は昔から、どちらかというと夜型人間。
朝が得意ではなかったのですが、
桃の収穫期は日中35℃超えの猛暑。
できるだけ涼しいうちにと早起きになります。
この朝の時間にしか感じられない空気の透明さ。
まっすぐ差し込む太陽の光、葉っぱの陰にできる柔らかい影、
一日の始まりを全身で感じる時間。
その瞬間「今日もがんばろう」と思える。
朝には、そんな力があります。
農業は、自然と共に生きること
自然に合わせて動くこの仕事は、
人間の都合ではどうにもならないことばかり。
気温、雨、風、虫、病気…。
どれも人の思い通りにはいきません。
でもだからこそ、
自然が見せてくれる一瞬の美しさに、胸を打たれるのだと思います。
毎年ちがう表情を見せてくれる畑。
そのなかで、桃たちはしっかりと生きています。
絵に描いたような風景に、価値を感じる
この朝の風景を見ていると、
「ここにしかない豊かさ」が確かにあると感じます。
派手な観光地じゃない。
何もない田舎の畑かもしれない。
でも、こんな時間を知ってしまったら、
それは何よりも贅沢なことだと思うのです。
自然の一部として働けることに感謝して、
桃の収穫が始まります。