今年で、大久保の畑の桃づくりが一区切りとなります。
この畑は、急に体調を崩して倒れてしまった農家さんから受け継いだ場所でした。
引き継いだ当時、樹はどれも高齢で、枝の張り方ひとつにも長い年月が刻まれているような、そんな畑でした。
風の強い日には、古い枝が折れてしまったこともあります。
今年のあの猛暑の中も、葉を焼かれそうになりながら、それでも残った力を振り絞るように実をつけてくれました。
「今年も頑張ってくれたなぁ」
そう思いながら見守った1年でした。
この冬、畑は改植を行い、新たな苗に生まれ変わります。
古い樹がバトンを渡し、次の世代がこの土地で根を張っていく――
桃づくりの歴史が続いていく瞬間です。
長い年月、この場所で実りを届けてくれた桃の樹たち。
本当にありがとう。
畑の空の下で、感謝の気持ちがこみ上げてきます。
これから植える新しい苗も、この土地でまた新しい物語を紡いでくれるはずです。
その始まりを楽しみにしながら、冬の準備を進めていきます。